ゼカリヤ書9-12 ; 黙示録20

ゼカリヤ書

第9章

9:1託宣
主の言葉はハデラクの地に臨み、
ダマスコの上にとどまる。
アラムの町々はイスラエルのすべての部族のように主に属するからである。
9:2これに境するハマテもまたそのとおりだ。
非常に賢いが、ツロとシドンもまた同様である。
9:3ツロは自分のために、とりでを築き、
銀をちりのように積み、
金を道ばたの泥のように積んだ。
9:4しかし見よ、主はこれを攻め取り、
その富を海の中に投げ入れられる。
これは火で焼き滅ぼされる。
9:5アシケロンはこれを見て恐れ、
ガザもまた見てもだえ苦しみ、
エクロンもまたその望む所のものが
はずかしめられて苦しむ。
ガザには王が絶え、
アシケロンには住む者がなくなり、
9:6アシドドには混血の民が住む。
わたしはペリシテびとの誇を断つ。
9:7またその口から血を取り除き、
その歯の間から憎むべき物を取り除く。
これもまた残ってわれわれの神に帰し、
ユダの一民族のようになる。
またエクロンはエブスびとのようになる。
9:8その時わたしは、わが家のために営を張って、
見張りをし、行き来する者のないようにする。
しえたげる者は、かさねて通ることがない。
わたしが今、自分の目で見ているからである。
9:9シオンの娘よ、大いに喜べ、
エルサレムの娘よ、呼ばわれ。
見よ、あなたの王はあなたの所に来る。
彼は義なる者であって勝利を得、
柔和であって、ろばに乗る。
すなわち、ろばの子である子馬に乗る。
9:10わたしはエフライムから戦車を断ち、
エルサレムから軍馬を断つ。
また、いくさ弓も断たれる。
彼は国々の民に平和を告げ、
その政治は海から海に及び、
大川から地の果にまで及ぶ。
9:11あなたについてはまた、
あなたとの契約の血のゆえに、
わたしはかの水のない穴から、
あなたの捕われ人を解き放す。
9:12望みをいだく捕われ人よ、あなたの城に帰れ。
わたしはきょうもなお告げて言う、
必ず倍して、あなたをもとに返すことを。
9:13わたしはユダを張って、わが弓となし、
エフライムをその矢とした。
シオンよ、わたしはあなたの子らを呼び起して、
ギリシヤの人々を攻めさせ、
あなたを勇士のつるぎのようにさせる。
9:14その時、主は彼らの上に現れて、
その矢をいなずまのように射られる。
主なる神はラッパを吹きならし、
南のつむじ風に乗って出てこられる。
9:15万軍の主は彼らを守られるので、
彼らは石投げどもを食い尽し、踏みつける。
彼らはまたぶどう酒のように彼らの血を飲み、
鉢のようにそれで満たされ、
祭壇のすみのように浸される。
9:16その日、彼らの神、主は、彼らを救い、
その民を羊のように養われる。
彼らは冠の玉のように、その地に輝く。
9:17そのさいわい、その麗しさは、いかばかりであろう。
穀物は若者を栄えさせ、
新しいぶどう酒は、おとめを栄えさせる。

第10章

10:1あなたがたは春の雨の時に、
雨を主に請い求めよ。
主はいなずまを造り、大雨を人々に賜い、
野の青草をおのおのに賜わる。
10:2テラピムは、たわごとを言い、
占い師は偽りを見、
夢見る者は偽りの夢を語り、
むなしい慰めを与える。
このゆえに、民は羊のようにさまよい、
牧者がないために悩む。
10:3「わが怒りは牧者にむかって燃え、
わたしは雄やぎを罰する。
万軍の主が、その群れの羊であるユダの家を顧み、
これをみごとな軍馬のようにされるからである。
10:4隅石は彼らから出、
天幕の杭も彼らから出、
いくさ弓も彼らから出、
支配者も皆彼らの中から出る。
10:5彼らが戦う時は勇士のようになって、
道ばたの泥の中に敵を踏みにじる。
主が彼らと共におられるゆえに彼らは戦い、
馬に乗る者どもを困らせる。
10:6わたしはユダの家を強くし、ヨセフの家を救う。
わたしは彼らをあわれんで、彼らを連れ帰る。
彼らはわたしに捨てられたことのないようになる。
わたしは彼らの神、主であって、
彼らに答えるからである。
10:7エフライムびとは勇士のようになり、
その心は酒を飲んだように喜ぶ。
その子供らはこれを見て喜び、
その心は主によって楽しむ。
10:8わたしは彼らに向かい、口笛を吹いて彼らを集める、
わたしが彼らをあがなったからである。
彼らは昔のように数多くなる。
10:9わたしは彼らを国々の民の中に散らした。
しかし彼らは遠い国々でわたしを覚え、
その子供らと共に生きながらえて帰ってくる。
10:10わたしは彼らをエジプトの国から連れ帰り、
アッスリヤから彼らを集める。
わたしはギレアデの地およびレバノンに
彼らを連れて行く。
彼らはいる所もないほどに多くなる。
10:11彼らはエジプトの海を通る。
海の波は撃たれ、
ナイルの淵はことごとくかれた。
アッスリヤの高ぶりは低くされ、
エジプトのつえは移り去る。
10:12わたしは彼らを主によって強くする。
彼らは主の名を誇る」と
主は言われる。

第11章

11:1レバノンよ、おまえの門を開き、
おまえの香柏を火に焼き滅ぼさせよ。
11:2いとすぎよ、泣き叫べ。
香柏は倒れ、
みごとな木は、そこなわれたからである。
バシャンのかしよ、泣き叫べ。
茂った林は倒れたからである。
11:3聞け、牧者の泣き叫ぶ声を。
彼らの栄えが消え去ったからである。
聞け、ししのほえる声を。
ヨルダンの草むらが荒れ果てたからである。
11:4わが神、主はこう仰せられた、「ほふらるべき羊の群れの牧者となれ。11:5これを買う者は、これをほふっても罰せられない。これを売る者は言う、『主はほむべきかな、わたしは富んだ』と。そしてその牧者は、これをあわれまない。11:6わたしは、もはやこの地の住民をあわれまないと、主は言われる。見よ、わたしは人をおのおのその牧者の手に渡し、おのおのその王の手に渡す。彼らは地を荒す。わたしは彼らの手からこれを救い出さない」。
11:7わたしは羊の商人のために、ほふらるべき羊の群れの牧者となった。わたしは二本のつえを取り、その一本を恵みと名づけ、一本を結びと名づけて、その羊を牧した。11:8わたしは一か月に牧者三人を滅ぼした。わたしは彼らに、がまんしきれなくなったが、彼らもまた、わたしを忌みきらった。11:9それでわたしは言った、「わたしはあなたがたの牧者とならない。死ぬ者は死に、滅びる者は滅び、残った者はたがいにその肉を食いあうがよい」。11:10わたしは恵みというつえを取って、これを折った。これはわたしがもろもろの民と結んだ契約を、廃するためであった。11:11そしてこれは、その日に廃された。そこで、わたしに目を注いでいた羊の商人らは、これが主の言葉であったことを知った。11:12わたしは彼らに向かって、「あなたがたがもし、よいと思うならば、わたしに賃銀を払いなさい。もし、いけなければやめなさい」と言ったので、彼らはわたしの賃銀として、銀三十シケルを量った。11:13主はわたしに言われた、「彼らによって、わたしが値積られたその尊い価を、宮のさいせん箱に投げ入れよ」。わたしは銀三十シケルを取って、これを主の宮のさいせん箱に投げ入れた。11:14そしてわたしは結びという第二のつえを折った。これはユダとイスラエルの間の、兄弟関係を廃するためであった。
11:15主はわたしに言われた、「おまえはまた愚かな牧者の器を取れ。11:16見よ、わたしは地にひとりの牧者を起す。彼は滅ぼされる者を顧みず、迷える者を尋ねず、傷ついた者をいやさず、健やかな者を養わず、肥えた者の肉を食らい、そのひずめをさえ裂く者である。
11:17その羊の群れを捨てる愚かな牧者はわざわいだ。
どうか、つるぎがその腕を撃ち、
その右の目を撃つように。
その腕は全く衰え、
その右の目は全く見えなくなるように」。

第12章

12:1託宣
イスラエルについての主の言葉。すなわち天をのべ、地の基をすえ、人の霊をその中に造られた主は、こう仰せられる、12:2「見よ、わたしはエルサレムを、その周囲にあるすべての民をよろめかす杯にしようとしている。これはエルサレムの攻め囲まれる時、ユダにも及ぶ。12:3その日には、わたしはエルサレムをすべての民に対して重い石とする。これを持ちあげる者はみな大傷を受ける。地の国々の民は皆集まって、これを攻める。12:4主は言われる、その日には、わたしはすべての馬を撃って驚かせ、その乗り手を撃って狂わせる。しかし、もろもろの民の馬を、ことごとく撃って、めくらとするとき、ユダの家に対しては、わたしの目を開く。12:5その時ユダの諸族は、その心の中に『エルサレムの住民は、その神、万軍の主によって力強くなった』と言う。12:6その日には、わたしはユダの諸族を、たきぎの中の火皿のようにし、麦束の中のたいまつのようにする。彼らは右に左に、その周囲にあるすべての民を、焼き滅ぼす。しかしエルサレムはなお、そのもとの所、すなわちエルサレムで、人の住む所となる。
12:7主はまずユダの幕屋を救われる。これはダビデの家の光栄と、エルサレムの住民の光栄とが、ユダの光栄にまさることのないようにするためである。12:8その日、主はエルサレムの住民を守られる。彼らの中の弱い者も、その日には、ダビデのようになる。またダビデの家は神のように、彼らに先だつ主の使のようになる。12:9その日には、わたしはエルサレムに攻めて来る国民を、ことごとく滅ぼそうと努める。
12:10わたしはダビデの家およびエルサレムの住民に、恵みと祈の霊とを注ぐ。彼らはその刺した者を見る時、ひとり子のために嘆くように彼のために嘆き、ういごのために悲しむように、彼のためにいたく悲しむ。12:11その日には、エルサレムの嘆きは、メギドの平野にあったハダデ・リンモンのための嘆きのように大きい。12:12国じゅう、氏族おのおの別れて嘆く。すなわちダビデの家の氏族は別れて嘆き、その妻たちも別れて嘆く。ナタンの家の氏族は別れて嘆き、その妻たちも別れて嘆く。12:13レビの家の氏族は別れて嘆き、その妻たちも別れて嘆く。シメイの氏族は別れて嘆き、その妻たちも別れて嘆く。12:14その他の氏族も皆別れて嘆き、その妻たちも別れて嘆くのである。


黙示録

第20章

20:1またわたしが見ていると、ひとりの御使が、底知れぬ所のかぎと大きな鎖とを手に持って、天から降りてきた。20:2彼は、悪魔でありサタンである龍、すなわち、かの年を経たへびを捕えて千年の間つなぎおき、20:3そして、底知れぬ所に投げ込み、入口を閉じてその上に封印し、千年の期間が終るまで、諸国民を惑わすことがないようにしておいた。その後、しばらくの間だけ解放されることになっていた。
20:4また見ていると、かず多くの座があり、その上に人々がすわっていた。そして、彼らにさばきの権が与えられていた。また、イエスのあかしをし神の言を伝えたために首を切られた人々の霊がそこにおり、また、獣をもその像をも拝まず、その刻印を額や手に受けることをしなかった人々がいた。彼らは生きかえって、キリストと共に千年の間、支配した。20:5(それ以外の死人は、千年の期間が終るまで生きかえらなかった。)これが第一の復活である。20:6この第一の復活にあずかる者は、さいわいな者であり、また聖なる者である。この人たちに対しては、第二の死はなんの力もない。彼らは神とキリストとの祭司となり、キリストと共に千年の間、支配する。
20:7千年の期間が終ると、サタンはその獄から解放される。20:8そして、出て行き、地の四方にいる諸国民、すなわちゴグ、マゴグを惑わし、彼らを戦いのために召集する。その数は、海の砂のように多い。20:9彼らは地上の広い所に上ってきて、聖徒たちの陣営と愛されていた都とを包囲した。すると、天から火が下ってきて、彼らを焼き尽した。20:10そして、彼らを惑わした悪魔は、火と硫黄との池に投げ込まれた。そこには、獣もにせ預言者もいて、彼らは世々限りなく日夜、苦しめられるのである。
20:11また見ていると、大きな白い御座があり、そこにいますかたがあった。天も地も御顔の前から逃げ去って、あとかたもなくなった。20:12また、死んでいた者が、大いなる者も小さき者も共に、御座の前に立っているのが見えた。かずかずの書物が開かれたが、もう一つの書物が開かれた。これはいのちの書であった。死人はそのしわざに応じ、この書物に書かれていることにしたがって、さばかれた。20:13海はその中にいる死人を出し、死も黄泉もその中にいる死人を出し、そして、おのおのそのしわざに応じて、さばきを受けた。20:14それから、死も黄泉も火の池に投げ込まれた。この火の池が第二の死である。20:15このいのちの書に名がしるされていない者はみな、火の池に投げ込まれた。


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